復活のにんにく−甲斐自然派農園ものがたり、クラフトショップでにんにくを売る理由について

父、農業を始める

甲斐自然農園公認大使
にんにく坊や(黒にんにくVer.)

父が農業を始めたのは8年前。
開始後2年程経ち、兄が送った一冊の本をきっかけに、無農薬栽培・オリジナルの発酵菌(肥料)を使った栽培に取り組み始めました。
発酵菌のおかげか、にんにく、きゅうり、アイコトマト、茎ブロッコリー、安納芋など、家族のひいき目抜きにみてもとてもおいしく、それに加えて農薬や除草剤は一切使用していないので、本当に体に良いものを食べているという安心感がありました。

2年ほど前から叔父も加わり、にんにくの栽培をメインでやっていこうという方針になり、私のところにキャラクターを作ってくれという打診がありました。
おもむろにらくがきをしていると、思いもよらずかわいいにんにく坊やが誕生し、甲斐自然派農園の公認大使としてみなさまに愛嬌をふりまくこととなりました。

私が畑仕事にやる気が出るかなと思って作ったにんにく坊やのTシャツやトレーナーを父は毎日のように着てくれていたようです。

除草剤を使わない、安心のにんにく

体に入れるものだから食べ物は安心安全なものがいいですよね。
だけど私たちは目の前にある食べ物がどのように作られたのか知らずに食べることの方がほとんどだと思います。
甲斐自然派農園のにんにくは無農薬栽培であることはもちろん、草はすべて手作業で引いており、畝が長いと1列の半分の草を引くのに1時間かかる時もあります。
それは途方もない労力を費やしますが、安心安全なにんにくを作るために除草剤は一切使用しておりません。

草を引く前、草ぼーぼー状態
引いた草は根を上に向けます

引いた草は根を上向けにおいて根付かないようにし、それに発酵菌をかけることにより草も栄養になり適度な日除けになります。これを父は「草マルチ」と呼んでいます。

オーガニックを超えるVegan Garlic(ヴィーガンガーリック)

甲斐自然派農園オリジナルの発酵菌

甲斐自然派農園は肥料も手作り。土着菌と呼ばれる地元に生息する菌に灰や海藻、稲のもみ殻を混ぜて作ったぼかし菌を発酵させて作っています。

家畜の糞などの動物性のものは一切使用しておりません。それはまさにオーガニックを超えたVegan Garlic(ヴィーガンガーリック)と言えるでしょう。

甲斐自然派農園の危機

朝早くから日が暮れるまでコツコツ畑仕事をしていたのが実を結び、お客様の評判も上々でした。
耕作面積を増やしたくさん収穫ができるね、と楽しみにしていた昨年の秋、夕食の準備をしていると母からの電話。いつもの世間話かと思うと何やら深刻な様子。

聞くと父が意識を失い倒れ、その際にコンクリートで頭を強打し危険な状態だと。
緊急手術を行うが助かるかどうかわからないと聞いてパニック状態になりました。夜の飛行機が間に合わないので翌日のチケットを震える手で予約しました。
兄も同じ日に帰り、オーストラリアにいる姉も即刻帰国の準備に取り掛かりました。

手術は無事に終わりなんとか一命を取り留めましたが10日程眠ったままでした。頭蓋骨が割れ脳が腫れていたので、麻痺が残る可能性がありました。

私は叔父と一緒に出来る限り畑仕事を手伝うことにしました。
およそ1ヶ月間、来る日も来る日も草を引きまくりました。肉体的にはとても辛かったですが、「この一引き一引きがお父さんの回復につながる」という気がして、いわば願いの儀式のように草を引き続けました。

お世話になったカート。座ってコロコロと移動します
一族のみなさんに見守られながら(墓石の名前がほぼ甲斐)

しばらくして庭師の夫も駆けつけてくれて兄と一緒に、父が畑仕事に精を出すあまりまったく手入れされてなかった実家の庭をきれいにしてくれました。
近所の父の幼馴染のおじさんが事情を知ると、耕運機で畑をふかふかに耕してくれました。

松の手入れをする庭師の夫、達也君

姉はこの時期海外からの帰国者には2週間の外出制限があったため、リモートワークの傍、家の周りの大掃除をしたり家に近い畑の手入れをしたりと、家族みんながそれぞれできることをしました。畑仕事の休憩に母の作ってくれたお昼ご飯を食べに帰るのが楽しみでした。

畑からの帰り道

93歳の祖母、スミ子さんもいてもたってもいられなかったのでしょう。
時折鎌をもってきて加勢しはじめました。

93歳のスミ子さん
草引きの指導をするスミ子さん

私たちが草を引いていると「こん草も引かんね(この草も引きなさい)」と指導が入りました。まだまだ現役です。
甲斐自然派農園の畑は転々とあちらこちらにあるのですが、今まで坂の上にあってスミ子さんの体力的に見に行けなかった畑も、見に行くといって坂道を一緒にのぼっていくこともできました。
「まいとできちょる(うまいことできてる)」というスミ子さんの動画を撮って父に見せたりしました。

父は意識が戻ると、にんにくのことが気になるようで「畑に行きたい、畑がみたい」といつも言っていました。

姉とお見舞いに行っては「お父さんの手を握るのは何十年ぶりだろうね」なんていいながら、少しずつ回復していってるが、また大好きな畑仕事に戻れるか分からない父の姿に一喜一憂していました。

復活のにんにく

父はラッキーでした。生死の瀬戸際をさまよったものの倒れた場所が病院の近くであったことが幸いし、4ヶ月の入院生活とリハビリののち、退院することができました。
一時外出の際も退院後も真っ先に向かったのは畑でした。
車の運転や計算は難しくなったものの、麻痺は残らず畑仕事に復帰することができています。

そして周りの方々の助けを借りて、今年も無事ににんにくを収穫することができました。

私は父の入院中、たった1ヶ月でしたが草を引くなかで、にんにくを無農薬・除草剤無しで育てることがこんなに大変なことなんだなということを思い知りました。

草を引きながら思っていました「もっと早く手伝っていればよかった」と。
そして甲斐自然派農園の安心・安全な野菜づくりへのこだわりをもっとたくさんの方々に知ってほしいと思いました。

それがSALUKの店先でにんにくを販売している理由です。

気になるお味は…
植物性の肥料だからでしょうか。雑味がなく、とてもおいしいです!

畑を見守るにんにく坊や

最後までご覧いただきどうもありがとうございました。

SALUK 店主 甲斐

【甲斐自然派農園ヴィーガンガーリック】
甲斐自然派のホームページができました!無農薬・除草剤不使用の安心安全なにんにく&黒にんにくがオンラインでご購入いただけます!甲斐自然派農園のホームページはこちらから。

またはふるさとチョイスでもお選びいただけます(黒にんにく 日向市で検索)。

よろしくお願いいたします!

3 replies on “復活のにんにく−甲斐自然派農園ものがたり、クラフトショップでにんにくを売る理由について

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